ETFで配当金をもらえるって聞いたので興味があるんだ。でも、そもそもETFってなんだろう?
ETFは上場投資信託のことですね。メリット・デメリットをあわせて紹介しますので、投資対象とするか検討してみてくださいね。
本記事では、ETFについて解説します。混同されやすい投資信託との差異やメリット・デメリットを紹介しますので、投資対象として検討している方の参考になります。
この記事はこんな方にオススメです。
✔︎ ETFのメリット・デメリットを知りたい方
✔︎ NISAやiDeCoへ投資済みで、次の投資対象を探している方
ETFは株式同様の売買ができる投資信託
ETF(Exchange Traded Fund )は、日経平均株価やNYダウ等の指数に連動するように運用している投資信託の一種です。
ETFを日本語に直すと「上場投資信託」だね。投資信託については前に教えてもらったけど、どう違うの?
上場することで、株式同様に値動きに応じた売買が可能になります。
上場することで、どういった違いが出てくるのかな?
それでは、投資信託とETFの違いを1つずつ見ていくことにしましょう!
投資信託:証券会社もしくは銀行
ETF:証券会社のみ
投資信託は銀行でも取り扱っていますが、ETFは証券会社のみが取り扱っている商品となります。そのため、ETFを売買したい方は証券口座を開設する必要があります。
銀行口座があれば、投資信託はすぐに始められるんだね。
そうですね。ただし、証券会社は取扱い商品が多いです。これから資産運用を考えているのであれば、証券口座を持つべきでしょう。その際には、手数料が安いネット証券がおすすめですよ。
投資信託:1日に1回決まる基準価額
ETF:リアルタイムで決まる価格
投資信託では、組み入れている株式や債券などの時価評価を基に1日に1つの価額(基準価額)が公表されます。この基準価額において、投資信託の購入や換金が行われます。
また、基準価額が公表されるのは、投資信託の取引の申込を締め切った後で、投資家は当日の基準価額が分からない状況で投資信託の取引を行います。
取引価格が分からない状態で投資するのは、なんだか不安だなぁ……。
すでに投資信託を保有している投資家の利益が阻害されないように、このような取引方法が選定されています。この取引方法は「ブラインド方式」と呼ばれています。
ETFは株式同様、リアルタイムで動く価格で取引がおこなわれます。1日に1度しか値動きがない投資信託と比較して流動性が高いです。
投資信託:合計金額、もしくは口数(くちすう)を指定
ETF:株数を指定(1株単位で金額を指定することも可能)
投資信託では、購入金額または取引を行う単位である口数を決めて買い注文、売り注文を出します。また、売買は必ず成立します。
2つの指定方法があるってことだね。でも、口数が分かりづらいなぁ。
それでは、お肉屋さんで買い物する時をイメージしてみましょうか。買い物するときに「豚肉を1,000円分ください」と注文しますか?それとも「豚肉を1kgください」と注文しますか?
そうだなぁ、重さを指定することが多いから「豚肉を1kgください」かな。
なるほど。重さという「単位」を指定して購入するんですね。
そうか!これが単位を指定する「口数指定」だね。
その通りです。難しそうに思えても身近な例を見てみると分かりやすいですよね。
ETFは売買したい株数を指定して注文します。指定方法は「成り行き注文」「指値(さしね)注文」の2つです。
「成り行き注文」では時価で売買が行なわれます。「指値注文」では、1株あたりの金額をして売買が行なわれます。
金額を指定する「指値注文」のほうが安心感があるよね!
そうですね。ただし、指定した金額で売買したい相手が見つからない場合は、注文不成立となる点には注意が必要です。
ちなみに、ETFは1株から投資できるの?
株式同様に1株(およそ数千円〜数万円程度)から購入できますよ。投資信託は証券会社によっては100円から投資可能ですので、投資信託のほうが手軽に始められます。
投資信託:購入時と解約時に必要
ETF:購入時と売却時に必要
投資信託は購入時に手数料がかかり、売却時には手数料がかかりません。購入時に手数料がかからない(ノーロード)商品もあり、主にネット証券で多く取り扱われています。なお、売却時は基本不要ですが、解約時の売却では信託財産保額が差し引かれます。
ETFは購入時と売却時に、それぞれ手数料が必要となります。売買手数料は証券会社によって異なっていますが、店舗を構える総合証券会社より、ネット証券が安く設定されています。
長期の資産運用では手数料を抑えることが大切だったよね。
そうですね。手数料を抑えるためにもネット証券口座の開設をしておきたいですね。
ETFのメリット
投資コストが低い
ETFで資産運用する際には運用管理費用(主に信託報酬)が必要となります。投資信託でも必要となる費用ですが、ETFは投資信託に比べて信託報酬が低く設定されています。
投資信託も低かったけど、ETFはもっと低いの?
一例として全世界の株式へ投資している銘柄で比較してみましょう。
【ETF】
バンガード・トータル・ワールド・ストックETF [信託報酬:0.08%]
【投資信託】
eMAXIS slim 全世界株式(オール・カントリー)[信託報酬:0.1144%]
※2021/11/27時点
たしかに低くなってるけど、そんなに変わらないかな?
100万円を預けて年間数百円程度の差ですね。資産額が大きくなったり、長期運用を前提とする場合は差が広がっていきます。
資産運用では手数料を抑えることが前提です。大きな差ではないですが、ETFが投資信託よりも優れている点のひとつとして挙げられます。
値動きが分かりやすい
株式同様、ETFの価格はリアルタイムで変動します。そのため、現時点での価格を判断しやすいこともETFのメリットと言えます。
自分の資産は把握しておきたいもんね。
投資信託では翌日以降にならないと正確な資産は把握できませんからね。
リアルタイムで売買できる
ETFは投資家が「購入したい」「売却したい」と思った時点で注文が出せます。リアルタイムで売買できる点もメリットになります。
値動きが分かるからこそ、リアルタイムで売買できるんだね。
そうですね。株式と同じように売買出来る点も投資信託とは異なる特徴ですね。
手軽に分散投資ができる
手軽に多くの銘柄へ分散投資ができる点も大きなメリットです。
投資家は銘柄別の指標を分析する必要がありません。また、個別銘柄への投資と比較して破綻リスクが低いと言えます。
投資信託と同じ特徴を持っているってことだね。
そうですね。投資信託の大きな特徴でありメリットですね。
ETFのデメリット
売買は証券会社のみ
ETFは証券会社のみ取り扱っている商品です。そのため、ETFの売買を行ないたい場合は、証券口座を開設する必要があります。
銀行口座しか持っていない人は、口座管理が面倒になるかもね。
銀行口座も証券口座もネットで開設すれば、管理手間は少なくなりますよ。
楽天やSBIのように、銀行口座と証券口座をオンラインで連携できる口座を開設することで、管理手間の問題は解決できます。証券口座を開設する場合は、オンラインで開設することをオススメします。
自動積立投資がやりづらい
投資信託は自動で利益を再投資可能ですが、ETFは利益を自動で再投資できる証券会社が少なく、投資対象の銘柄が限られています。
また、自動積立サービスを利用することで追加コストが必要となるケースもあります。例えば、マネックス証券のロボアドバイザーを使って自動積立を実施する場合は、年率0.33%のコストが必要となります。
せっかくコストを抑えたのに、余計なコストは払いたくないなぁ……。
再投資する場合は手動でおこなう必要があるため、投資信託と比較すると手間が増えてしまいますね。
まとめ
本記事では、ETF(上場投資信託)の特徴を投資信託と比較して記載しました。
ETF | 投資信託 | |
取引場所 | 証券会社 | 証券会社と銀行 |
取引価格 | リアルタイムで変動 | 1日1回決まる基準価額 |
売買方法 | 株数を指定 | 合計金額か口数を指定 |
手数料 | 購入時と売却時に必要 | 購入時に必要 |
ETFでは時価で買う「成り行き注文」と、1株あたりの金額を指定する「指値注文」が出来るんだったね。
また、ETFのメリットとデメリットを述べました。
✔︎ 値動きが分かりやすい
✔︎ リアルタイムで売買できる
✔︎ 手軽に分散投資ができる
投資信託同様、手軽に分散投資が出来て、株式同様の運用ができるんだったね。
✔︎ 自動積立投資がやりづらい
自動積立投資は証券会社や銘柄が限られているんだったね。サービスを利用するためには追加コストがかかる場合もあるから、注意が必要だね。
長期の資産運用では資産を少しでも増やすためにコストを抑えることが重要です。その点では、ETFも投資対象のひとつとして検討の価値はあるでしょう。
でも、NISA制度を利用したほうがお得なんじゃない?
そうですね。税制優遇制度を利用したほうが資産形成の効率は高いです。長期的な資産運用を考えている方は、まずはNISAやiDeCoを検討したほうが良いでしょう。
NISAやiDeCoに投資して、余剰金でETFに投資するのが良いってことだね!
その通りです。低コストで効率的な資産形成をしていってくださいね!
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