【伝えるべき最高傑作】『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』レビュー

ゲーム
発売日: 2017年3月3日
シリーズ: ゼルダの伝説
販売元: 任天堂
ジャンル: アクションアドベンチャーゲーム
プラットフォーム: Nintendo Switch

 

今からでも語らざるを得ない魅力8選

 

実は本作、発売日(2017/3/3)にスイッチ本体とともに購入しておりました。

 

その後、子供を授かったこともありプレイを中断していましたが、ゼルダに興味を持った子供に促される形でプレイを進め、4年半の時を超えてようやくクリア。

 

「今からゲームレビューしても遅すぎないか?」という思いを持ちつつも、あまりにも素晴らしい作品だったため書き留めることにしました。

 

願わくば、この手記がこれから素晴らしい体験をする誰かのためにならんことを。

 

冒険心をくすぐる「広大かつ密度の高い世界」

 

まずは「オープンワールドで構成された世界」を、大きな魅力のひとつとして挙げたい。目の前に広がる世界を自由に駆け回ることが出来るというのは、思った以上に冒険心をくすぐる。

 

「あの山上には何があるんだろう?」「この砂漠を超えた先には何があるんだろう?」という気持ちが次々と湧き上がり、プレイの中断時期に迷うほどだ。

 

そういった気持ちに応えるように、辿り着く先や道中には、あらゆるものが用意されている。宝箱、敵、ミニクエストが無数にある非常に密度の高い世界が構築されている。そのため、移動が苦痛にならず、むしろ夢中で楽しめる。

 

これだけ大きな世界が眼前に広がっているのに、移動さえも楽しめるという工夫には脱帽するしかない。

 

仮想世界と現実世界をつなぐ「野生の息吹」

 

タイトルの「ブレス オブ ザ ワイルド」を直訳すると「野生の息吹」となる。その名の通り、広大かつ密度の高い世界は、多くの場面で野生というものを感じさせてくれる。

 

朝〜昼〜夜という時間の流れによって表情を変える風景。天候の変化も自然を感じさせてくれる要素のひとつだ。

 

雨になった際には焚き火が消えたり、足音をかき消してくれる。雷は大木、時には鉄製の装備に降り注ぐこともある。仮想世界でありながら、現実世界を感じさせてくれる作りは、プレイヤーをより没頭させる。

 

ちなみに、雨になった時は崖や山を登りにくくなる。もちろん、現実では当然なのだが、プレイヤーにとってはストレスにもなる。個人的には回避方法が用意されていても良かったように思う。

 

親切で違和感のない導入部

 

任天堂のゲームは、操作説明の導入部が優れている。何も知らないプレイヤーに向けて親切丁寧に操作方法を教えつつも、説明的になりすぎないように工夫が施されている。

 

本作も例に漏れず、親切かつ違和感が感じられない導入部だ。

 

主人公のリンクは序盤から多くのアクションが使える。それらのアクションを使うように、初期の祠(短いダンジョンのようなもの)にはギミックが用意されている。祠をクリアした段階で、頭ではなく体にアクションが染み付いた形となっているのだ。

 

これだけ多くのアクション(かつ、そのアクションの使い道は幅広い)を、導入部で無理なく教えるというのは簡単そうに見えて難しい。親切で違和感のない導入部が、ゼルダの世界への没入度を高めている要因の1つであることは間違いない。

 

パラセールで広がる世界と爽快感

 

本作で用意されたアクションの1つに「パラセール」というものがある。空中でグライダーを広げるアクションである。

 

冒険するうえで、このパラセールを最大の魅力として挙げたい。

 

高いところから飛び降りる時には、落下速度を抑えて飛行距離を伸ばしてくれる。着地直前で開くことで、落下時のダメージを抑えてくれる。上昇気流に乗ることで、高い山もあっという間に登ることが出来る。

 

パラセールがあれば、広大な世界を駆け回りながら、どんどんと冒険できる世界が広がっていく。その爽快感は素晴らしい。

 

パラセールこそリンク最大のパートナーであり、本作のアクション部門MVPだ。

 

過去と現在をつなぐ魅力的なキャラクター

 

100年前の厄災時に活躍した4人の英傑と、英傑の意思を継ぐ新しい4人のキャラクターたち。英傑にまけず劣らず魅力的なキャラクターだ。

 

過去と未来の双方を体験したリンクを軸として、想いと時代が見事につながっていく。主人公の名前がリンク(英訳すると「関連づける」)となっているのは、不思議な偶然だろうか?

 

100年前に英傑たちが憂き目を味わった敵。その憎き仇に、英傑の想いを継ぐ者と協力して立ち向かい撃破していく様を見ていると、胸の高鳴りを抑えることが出来ない。

 

物語のピースを探し完成させていく楽しさ

 

世界の各所にちらばった「リンクとゼルダ姫の記憶」。これらを集めることで、過去の物語を追体験できるようになっている。

 

物語をより深く理解するために、パズルのピースを埋めるような形で補完していくことが出来る。この行為が何とも楽しい。

 

物語を進めるうえで必須な行為ではないが、全てのピースを集めることをオススメしたい。

 

緊張感の高いバトルをフォローするオートセーブ

 

前半部分はもとより、武器や装備が強くなり、プレイヤースキルが上がってくる後半でさえ、強い敵に挑むと油断しているとやられてしまう。

 

バトルは高難度ではないものの決して低くは無い。「ゲームオーバー」という文字を何度見たことか。

 

それでも、やり直しはストレスにならない。高頻度で実施されるオートセーブにより、すぐさま直前からリスタート出来るからだ。

 

緊張感の高いバトルを実現しつつ、ストレスの緩和剤となっているオートセーブはプレイヤーにとっての英傑だ。

 

プレイヤーの楽しさがリンクの成長になる

 

多種多様のギミックを用意されたアクションで解いていく。頭を悩ませ解けた時の達成感。

 

謎が解けた時の「タラララララララン♪」という心地良い効果音(伝わるだろうか?)こそ、ゼルダ最大の魅力であり醍醐味だ。謎解きを進めていくことで、新しい装備やハートなどのパラメータが上昇していく。

 

本作に限らずゼルダ全般に共通することではあるが、プレイヤーが楽しいと感じる瞬間がリンクの成長につながるという作りが素晴らしい。

 

未プレイ者には是非ともプレイしてほしい

 

思いつく限りで魅力を語ってみたが、キリがないのでこの辺でやめておこう。本作の魅力は、まだたくさん残されている。その魅力は、是非プレイすることで味わってほしい。

 

「今更プレイしてもな」という気持ちを多少なりとももっていた管理人が断言しよう。スイッチを持っていて本作をプレイしないのは、あまりにももったいない。

 

確かに発売から4年半の月日は過ぎた。ゼルダ姫は待ちくたびれていることだろう。だが、彼女はすでに100年も待っているのだ。4年半過ぎたとしても、きっと笑顔で許してくれるさ。

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