楽天銀行の預金金利が改悪されるって聞いたんだけど。他の銀行へ預金を移管したほうがいいかなぁ。
まずは、改定内容と自分の状況を整理してみましょうか。そのうえで検討しても決して遅くはないと思いますよ。
本記事では、2022年4月から改定される楽天銀行の金利についてまとめています。
普通預金金利が高い「あおぞらBANK」「auじぶん銀行」について紹介していますので、乗り換え先として妥当か検討していただければ幸いです。
この記事はこんな方にオススメです。
✔︎ 高金利である「あおぞらBANK」「auじぶん銀行」の詳細を知りたい方
✔︎ 楽天銀行から他銀行へ乗り換えを検討している方
楽天銀行の普通預金金利が改悪
楽天銀行では、マネーブリッジ設定をおこなうことで普通預金金利0.1%を実現しています。大手銀行の100倍にあたる高金利のため、資産形成上重宝されていました。
この金利について2022年4月より改定(金利が下がることにより「改悪」と呼ばれています)されることが発表されました。
2022/7/4時点
【出典:楽天銀行】
この改定を、具体的な数字で比較してみましょう。
300万円を超える金額は、100万円ごとに年間600円の差となり、楽天銀行に1,000万円の預金がある方であれば、年間で4,200円の利息差が生まれます。
20年であれば84,000円、30年であれば126,000円となり、その差は決して小さくありません。
出来れば少しでもお得な運用をしたいけど、楽天銀行よりお得な銀行ってあるの?
それでは、次に楽天銀行よりも高い金利を取り扱っている銀行を紹介します。
楽天銀行より普通預金金利が高い銀行
普通預金金利が楽天銀行の0.1%を上回っている銀行を紹介します。
ひとつは「あおぞら銀行」、もうひとつは「au じぶん銀行」です。現状、この2つのみが楽天銀行よりも優遇した金利を実施しています(2022/1/17時点)
「あおぞら銀行」は預金残高50万以上で0.2%
【出典:あおぞらBANK】
実店舗を持たない「あおぞらBANK」口座限定となりますが、預金残高50万円以上で普通預金金利が0.2%になります。
その他、気になるATM手数料や振込手数料は、下記のようになっています。
ATM手数料 2022/7/11時点
出金については、時間制限はあるけど、ゆうちょ銀行でおこなうのがいいんだね。
振込手数料 2022/7/11時点
無料になる条件はあるけど、クレジットカードの利用や投資信託をおこなう必要もあるんだね。残高下限も高いし、条件としては厳しめだね。
あおぞらBANKの普通金利は条件無しで0.2%という業界最高水準ですが、手数料については、利便性が高いとは言い難い条件設定となっています。
あおぞらBANKへ預金するのであれば、ATM手数料を抑えるためゆうちょ銀行口座は必須になります。
「au じぶん銀行」は条件達成で最大0.2%
【出典:auじぶん銀行】
auじぶん銀行は下記3つの条件を満たすことで、普通預金金利が0.2%(通常は0.001%)となります。
①「au PAY」口座連携(+0.05%)
②「au PAYカード」の口座引き落とし設定(+0.05%)
③「auカブコム証券」口座の連携設定(+0.099%)
auに関するサービスをいくつも連携させる必要があるんだね。これって楽天経済圏と同じようなものかな?
「au経済圏」と呼ばれています。ただ、楽天の場合は銀行口座と証券口座の連携のみなので、auのほうが金利を上げる条件は厳しいと言えるでしょう。
auじぶん銀行では、ATM手数料や振込手数料も、会員ランクに応じて無料回数を増やしています。そのため、auじぶん銀行口座へ預金するのであれば、au経済圏で生活することを前提としたほうが良いでしょう。
僕は楽天経済圏で資産運用を続けようと思っているので、預金を移すなら「あおぞらBANK」かなぁ。でも、どのくらいの資産を移せばいいんだろう。
利息を多くもらうことに囚われ、資産運用がやりにくくなると本末転倒です。現金資産の考え方をまとめましたので、ご自身の状況と照らし合わせてみてくださいね。
資産運用では現金資産が重要
長期的な資産運用をおこなううえで、現金の存在は非常に大切です。現金の大切さを把握していなければ、資産運用の成功率は格段に下がってしまいます。
でも、長期投資をおこなえば資産が増えるんでしょ?出来るだけ投資に回したほうがいいんじゃないの?
短期的に見れば資産が下がることは十分にありえます。また、人生におけるリスクも忘れてはいけません。
資産が増え続けていくことで、私たちは起こりうるリスクを忘れがちになります。お金が必要になった時に現金が無ければ、金融資産を売るしかありません。
長期投資を継続するため、人生のリスクに備えて十分な現金を持っておく必要があります。
① 生活防衛資金(半年〜2年程度の生活資金)
② 数年以内に必要な資金(教育資金など)
③ 日常の生活費や娯楽費
④ 投資資金(株価暴落時などに買い増す資金)
①②は長期で預けておくお金なので、流動性の低い銀行口座へ預けても問題ないです。
③④は使う頻度の高いお金なので、流動性の高い銀行口座へ預けたほうが、生活満足度が高くなります。
なお、④については、銀行口座残高によりATM手数料や振込手数料の無料回数が決まり、利便性に差が生まれることが多いです。この点も忘れないようにしましょう。
例:楽天銀行 ハッピープログラム
【出典:楽天銀行】
今まで説明した内容をまとめます。
現状を把握して預金先口座を検討
多くの方は、利便性の高さを重視した銀行口座を利用しているのではないでしょうか。
預金先口座を分割する場合、まずご自身の状況をしっかりと把握する必要があります。
僕は流動性の高い口座で運用しているよ。資産移管を検討したいけど、まず何を把握したらいいのかな?
預金先口座の考え方としては、下記手順がオススメです。
①「流動性の低い口座」に移管可能な金額を算出
② 現状と移管後で、もらえる利息を比較
③ 移管のメリットとデメリットを天秤にかけて検討
うーん、なんとなくは分かるんだけど、やっぱり実際に数字を使った説明が欲しいなぁ。
それでは、あなたの現状をベースに解説してみますね。
ありがとう!僕の状況はこんな感じだよ。
✔︎ 現金資産は400万円(楽天銀行)
✔︎ 1ヶ月の生活費は25万円
✔︎ 生活防衛資金は半年程度持ちたい
✔︎ 数年以内に必要な資金は無し
✔︎ 投資資金として50万円持っておきたい
✔︎ 楽天銀行の利便性確保のため、100万円の残高は保持したい
それでは、まず「流動性の低い口座」に移管可能な金額を算出しましょう。
使用用途 | 金額 | 備考 |
生活防衛資金 | 150万円 | 25万円 × 6ヶ月 |
数年以内に必要な資金 | 0円 | 現時点で不要 |
合計 | 150万円 | 流動性の低い口座へ移管可能 |
150万円は金利の高い「あおぞらBANK」へ移してもいいんだね。
次に、現状と移管後で利息を計算しましょう。
現状(金利改定後)
銀行 | 残高 | 年間利息 | 備考 |
楽天銀行 | 300万円 | 3,000円 | 300万円までは0.1% |
100万円 | 400円 | 300万円を超えると0.04% | |
合計 | 400万円 | 3,400円 | 税引後は約2,710円 |
移管後
銀行 | 残高 | 年間利息 | 備考 |
楽天銀行 | 250万円 | 2,500円 | 300万円までは0.1% |
あおぞらBANK | 150万円 | 3,000円 | 金額上限なく0.2% |
合計 | 400万円 | 5,500円 | 税引後は約4,380円 |
楽天銀行に250万円残っているので、口座利便性や投資資金も保持できているね!
最後に移管のメリットとデメリットを記載しますね。
資産移管のメリット
年間利息が増えるのは魅力だけど、移管に伴う作業手間や今後の管理手間に見合うかを考えないといけないね。
そうですね。常に最大の利息を追い求める姿勢も大事ですが、あなた自身の時間がタダではないという視点も忘れないでくださいね。
まとめ
本記事では、楽天銀行の普通金利改定について紹介しました。
預金残高が多い人ほど影響がある改悪だね。
次に、楽天銀行の普通預金金利を超える銀行として「あおぞらBANK」「auじぶん銀行」を紹介しました。
au経済圏を活用しないなら「あおぞらBANK」への移管が良さそう。
また、長期的な資産運用において現金が大切であるということを述べました。
投資によるリターンを追い求めることに固執せず、起こりうるリスクに備えることが重要だね。
最後に、預金口座の移管先を検討する際の考え方を紹介しました。
①「流動性の低い口座」に移管可能な金額を算出
② 現状と移管後で、もらえる利息を比較
③ 移管のメリットとデメリットを天秤にかけて検討
資産移管のメリット
利息を得るためにかける時間が妥当か、考えてみる必要があるね。
自分自身の状況を整理することで、取るべき行動が見えてきます。資産運用に正解はありません。ご自身が納得した形で資産運用を続けていきましょう!
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